気象学者 増田善信 人と業績

撮影:山田尚弘

増田が遺したラストメッセージ

インタビュアー 小山美砂、撮影 山田尚弘

「代(よ)のため人のため」に命を捧げる

はじめに

増田web委員会 代表 増田道隆

父、増田善信のウェブサイトがスタートしました。
長く父の側でその活動を支えていただいた権上かおるさんと多くの支援者のかたがたのご努力で開設にこぎ着けていただきました。心から感謝申しあげます。
当初の構想としては遺されたわれわれの思い出の場となれば良いな、ということでした。しかし準備を進めるうちに次第に大きな目標が育ってきました。
それは次の理由によります。
①テーマが当初想定していたものから著しく広範囲に拡大したこと
②資料がかなり遺されていることが明らかになってきました。さらに準備の過程で、新たな資料の発見もあったこと
③;課題の多くがいまも社会のなかで解決を求めており、このウエブサイトの情報がそれらの課題の解決に寄与できること、関与する方々の活動をお助けすることができる かもしれないこと
準備期間が短く、現在はまだごく一部の公開に留まっていますが、順に公開対象を広げていきたいと思います。
黒い雨、温暖化、異常気象、そしてそれら全ての基盤となるべき核兵器廃絶と平和の希求。増田の仕事はいまも社会で求められています。このサイトが少しでもこれらの 課題の解決に役立てることが増田の望みであり、あとに続く私どもの仕事であろうと思います。
皆さまのご活用をお願いいたします。

撮影:山田尚弘

伝記書 「気象学者 増田善信 信念に生きた101年」

「黒い雨」に科学で挑んだ、気象学者101年の記録

増田善信(1923―2025)の生涯は101年におよんだ。台風の進路予報に関する数値的研究など気象学の最前線で研究に励み、日本の気象学の発展に多大な足跡を残した科学者である。
晩年は原爆による「黒い雨」調査に全力を注ぐ。原爆投下後に降り注いだ放射性物質を含む雨がどれほど広範囲に、どのような影響を与えたのか被爆者たちの証言を集めて科学的に裏付けし、司法判断を支えることで被爆者認定の拡大に尽力した。

本書は、その長大な人生を克明にたどり、研究者としての歩みと人間としての信念を描き出す。

異常気象や災害が頻発する現代において、科学者はどのように社会と関わるべきか。増田氏の生涯は、わたしたちに深い問いと希望を残してくれるだろう。
気象学の歴史から平和の記録まで、また信念を貫いた一人の生涯の記録として、多くの人々に訴えかける一冊。

【主な目次】
1.気象との出合い
2.天気予報が消えた
3.挑戦と変革
4.西へ東へ、無人島へ5.「黒い雨」を追って6.市民とともに地球を守る酸性雨調査研究会
増田善信自分史年表

増田善信の業績

書籍

出版された増田善信の著書

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活動業績

生涯の活動記録

YDA_0227 のコピー

(写真:山田尚弘)

動画など

動画その他の記録

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