本日は増田善信さんのしのぶ会と出版記念を兼ねての催しです。僭越ながら出版元からひと言ご挨拶させていただきます。この日のために準備をされた関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
私が増田さんの存在を知ったのは、2023年に小社で「原爆『黒い雨訴訟』」の本を出版したことによります。増田さんのお原稿をいただいて裁判にどう関わったのかを知り、ものすごい衝撃を受けました。退職してから「黒い雨」雨域の調査を始めるのですが、そのきっかけが被爆者の村上経行さんに「あんなにきれいな卵形に降ると思うか」と指摘され、常識を見直す必要と自らの調査を約束したという経緯に大きな感銘を受けました。
気象学者としての増田さんが、日本の気象事業に多大なる貢献をされていることも知りました。
「原爆『黒い雨訴訟』」の本が出た時に、お電話でお話する機会がございました。優しく丁寧な語り口から実直さが伝わってきて、増田さんの歩んでこられた人生を何とか記録に残したいと思い、弊社から出版をというふうに思ったわけでございます。
著者の小山美砂さんは、長年にわたって、その黒い雨の取材を続けてこられたジャーナリストです。広島にお住いの小山さんはお忙しい中を東京に出かけてこられて、取材をなさり、その信念を丁寧に記録してまとめてくださいました。増田さんへの深い共鳴が、原動力になったのではないかと思えます。長年の増田資料の整理・提供は、権上かおるさんが行いました。また、本日もご参加いただいているノンフィクション作家の柳田邦男さんに推薦文を頂戴いたしました。心から感謝いたします。 この本が増田さんの科学者としての、真実への誠実さ、人としての優しさを後世に伝えるものとなって、多くの方々の心の中で輝き続けることを願っております。本日は誠にありがとうございました。
